threeは2人対戦用のカードゲームです。
シンプルなカードデザインにある秘密が隠されています。
上の図は、赤いカードと青いカードが向かい合って戦っている状態です。
どっちのカードが勝ったのか、どっちのカードが強いのか、デザインだけで伝わるように工夫されています。
どちらのカードが勝ったと思いますか?
ヒントは色に注目してみてください。
正解は、赤のカードが勝ちました。
色に注目してもらうと、赤のカードが青のカードを突き刺して、侵食して見えると思います。
突き刺す視覚演出により、赤のカードは青のカードより強いということがデザインだけで表現されています。
ではここで黄色のカードに登場してもらいましょう。
今度は黄色のカードが赤のカードを突き刺して見えると思います。ということで、黄色のカードは赤のカードより強いことがデザインだけで伝わるかと思います。
つまりthreeのカードデザインの秘密はジャンケンのグーチョキパーの3すくみを抽象的なデザインに落とし込んだことにあります。
3すくみを具体的な世界観を使わず、抽象的なデザインで表現したのはthreeが世界初だと自負しています。
threeは古典的な3すくみをデザインで再構築した、日本発のボードゲームです。
さて、お気づきの方もいるかと思いますが、カードには数字が描かれています。
実はこの数字にもゲーム上大きな秘密が隠されています。
この数字には2つの意味があります。
1つは勝ち点です。
勝った方が描かれた数字を勝ち点として得点を得ることができます。
そしてもう1つの意味は強さです。
例えば赤のカードと赤のカード、どちらも突き刺せない状態のときがあります。
ジャンケンであれば「あいこでしょ」となるところですが、threeでは勝敗がつきます。
この時、勝ったカードは、数字の3、ではなく、数字の2のカードが勝ちます。
実はthreeは小さい方が強いという矛盾を持ったカードゲームなのです。
カードの裏面にはゲームのルールとして、「1>2>3」の矛盾を記載しています。
なぜこのような矛盾を取り入れるのか、きちんと理由があります。
数字の小さいカードは、あいこで勝てるため、勝ちやすいカードとなります。
ですが、数字は勝ち点にもなります。
小さいカードは勝ちやすいが、勝ち点も低いのです。
数字の大きいカードは、あいこで負けるため、勝ちづらいカードとなります。
ですが、突き刺せれば、相手を一発KOできる最大の得点を得ることができます。
リスク&リターンのゲームデザインを、このシンプルなカードデザインに盛り込んでいます。
さて、ここまでの説明で90%のゲームルールは説明できてしまいました。それくらいシンプルなゲームです。
残りの10%は?というと、それは手札が公開されているということです。
各プレイヤーは3枚の手札を相手にも見えるように公開し、3枚から1枚選んで戦い合います。
この性質から、threeは心理戦へと発展します。
相手が大きいカードで攻めてくるのか、小さいカードで守りにくるのかを見極めていくことが勝利のコツです。
突き刺した方が勝ち。
突き刺せない時は、数字が小さい方が勝ち。
手札は公開される。
たったこの3つのルールを理解するだけで、threeのほぼ100%のゲームルールは理解したことになります。
最小限のカードデザインに、最大限のゲームデザインを盛り込んだのがthreeというゲームです。