ゲームマーケット2021秋、お疲れ様でした！
私たちの初作品「three」は予想を大幅に超える反響で、初日から完売。急遽自宅から再入荷しての参戦でした。
今回はゲームマーケット2021秋の振り返りとして、感想や反省などを記していきたいと思います。
おそらくですが、結局おまえらいくつ売れたのだ？というのが読者の気になるところだと思うので、発表しておきますと、
初のボードゲーム制作、初のゲムマ出展、事前予約なし、SNSフォロワー0人、前評判ゼロで、
誰がみても「失敗するだろうね」と言われそうなHot Dogは、ゲームマーケット2日間で180個販売しました。
「お前起きてる？」7時30分
「起きてる？」
朝からメンバーからの電話です。信じられないことですが、寝坊しました。10分で支度して家を出ました。
ホットドッグはない9時00分
マックにホットドッグはないんですね。
周りのブースに圧倒される10時00分
簡素な設営のHot Dog。早速ブース設営が完了。
周りのブース様の設営が豪華すぎて不安になる。みんなすごい。
早速帰りたい11時00分
11/20日 11時、ゲームマーケット2021秋が開幕。早期入場の方々が足早にお目当てのブースに向かいます。
私たちHot Dogの周りのブース様は早速大賑わい。
私たちはそれはもうポツンと、誰からも相手をされないボッチ感覚を噛み締めてもう笑うしかありません。
だって私たちはSNSフォロワー0人の無名サークルです。
当たり前ですが、事前予約なんてあるわけがありません。（やってませんでした）
私たちは「あぁ、こんなボッチ感覚を2日間、耐え続けるのだろう」と不安に苛まれておりました。
「目標変更だ。2日で5個、2日で5個売るぞ！」
チーム全会一致で目標の下方修正に合意しました。
迷子？11時15分
15分ほどたそがれておりました、その時です。
「1つください」
？？？？？
おやおや？どちらのブースと間違えているのかな？
「え、と。何かをご覧になった方でしょうか・・・？」
「はい、ネットのブログを読んで面白そうだなと思って」
！！！！！
読まれてたのか！うちのブログ！
私たちHot Dogのメンバーは全員自分に自信がないため、
「私たちのブログなんて誰も読んでない。まぁ気休めに書いておけばいい」
そういう認識で生きてきましたので、読んでいる人って都市伝説だと思っていたわけです。
初のお客様です。
メンバー全員が歓喜し、声を上げました。
「目標あと4個！」
お、俺の姿が見えるのか？11時30分
さっきのお客様はまぐれである。1万人に1人の偶然のお客様である。私たちはそう考えました。
積極的に声がけをしなければ、誰も私たちのことなんて見向きもしない。
そう思い、積極的に声がけをはじめました。
ゲームマーケット初参加なので何をしたらマナー違反なのかよくわからないので、周りのブース様の顔色をうかがいながらお客様に声がけをしておりました。
すると、
止まってくれる。
ちゃんと、止まって聞いてくれる・・・！
この人、僕のことが見えている！
お、俺の言葉がわかるのか？11時35分
私たちは長い話が苦手でして、説明もサクッと終わらせるよう、事前にトークスクリプトを用意しておりました。
というのも前述の通り、私たちはみな自信がない人間です。
誰も自分の話なんて聞いてくれないし、聞いてくれても50%も伝わらない
そう思って生きてきました。
なので、簡潔に、素早く、的確に、図解を用いてさらに簡潔に、説明する必要があると思っていました。
私たちがシンプルなゲームを目指した理由もそこにあります。
普段アプリゲームを作っている私たちは、ユーザーが起動後5秒で10%が離脱することを知っています。
5秒で魅力を伝えなければいけません。
ここまで意識しても、お客様にはほとんど伝わらないと思っています。
「・・・というゲームです（伝わらないですよね）」
「あーなるほど。1つください」
え？？？？？伝わるの？？？？
衝撃的でした。
私たちの言葉が通じる、その衝撃を味わいました。
カメラはどこですか？12時00分
声がけをする。止まってもらえる。
魅力をさくっと伝える。聞いてもらえる。
説明をする。購入してもらえる。
驚くほどこの循環が回るようになってきました。
ここからひっきりなしにお客様がいらっしゃるようになりました。
中には購入待ちのお客様も。
本当に休む暇もなく、飛ぶように売れました。
（計算してみたところ、3分に1個売れるような事態でした。）
これは何かの間違い。ドッキリだ。カメラがどこかにあるはず。
メンバー全員がそう思っていました。
繰り返しますが、私たちはSNSフォロワー0人、ゲムマ初参加の、弱小四天王の中で最も弱いサークルです。
この人気っぷり、ドッキリだったら納得できる、そう思うしかありませんでした。
紙がない 13時00分
実は先着の購入特典として紙袋を用意しておりました。その初日分の30個が早々になくなってしまいました。
以前ゲームマーケットに一般参加した際に、裸のまま商品を渡されるのはいまいち買った気持ちよさに欠けるなぁと思っていました。
ですが、紙袋って高いんですね。発注すると1つ500円くらいしたりして、紙袋を配布しない理由に納得しました。
ではせめてビニール袋を、と思ったものの、
法律により購入時のビニール袋はビニール袋代としてきちんとお金をいただかないといけないらしく、
最終的に自分たちで紙袋を手作りしようぜ！
ということになりました。
しかしこれもまた、難儀でして、1つの紙袋を作るのに20分くらいかかるんですよね。ということで、
どうせ売れないし目標の50個+αの60個程度しか作っていきませんでした。
とそんなこんなで作った紙袋30個が早々になくなってしまいました。
お客様には申し訳ない気持ちで裸のままお渡しする結果になってしまいました。ご容赦願います。
お世話になった方々から 14時00分
委託販売をお願いしておりましたイエローサブマリン様のご担当者様、
threeの制作のお手伝いをしていただきました萬印堂様のご担当者様がご挨拶にきてくれました。
こんな弱小サークルにまで挨拶してくれるなんて、世の中の大人はすごいなぁと思いました。
ボードゲームは、制作者だけで作っているのではなく、
印刷会社さまや販売店さまのご尽力があって成り立っている。
これを忘れてはいけないと思ったひとときでした。
残り物には凹みがある 16時00分
2日分として、しかも奇跡的に売れた場合も考慮しての2日分が、
たった1日で、しかもあと1時間を残す中で完売という事態になってしまいました。
最後の最後、残り1つの時点でお客様がほぼ同着で2人いらっしゃいまして、
若干早かった方に1つを販売して終了となりました。
もう1人の方には申し訳なく思っていると、わけあり品でも良いとのお言葉が。
ほんの少しだけ箱に凹みがあった品を販売させていただきました。
申し訳なくも思いながら、同時にそこまで気に入っていただけたこともあり、非常に感慨深い出来事でした。
ということで、当日分、いや2日分、いやいや1年分だと思っていた在庫が1日でなくなってしまいました。
もう一生作ることはないだろうと思い、大量に刷っていたので自宅に帰ればまだまだたくさんあります。
声がスッカスカ 2日目 9時30分
前日の声がけでメンバーの喉がやられてしまいました。
もうスッカスカなので、お客様が気になって仕方ないだろうから「声がスッカスカです」と名札に貼っておけと言っておきました。
お客様に説明する際に余計なストレスを与えないという発想も、もしかしたらゲーム作りからくるホスピタリティかもしれません。
2日目の新しい在庫（2年目分の在庫）は自宅から搬入しました。倉庫がわりに実家に送ろうと梱包済みでした。
ネットの情報で2日目は少し落ち着くという情報もありましたし、
昨日は何かのまぐれではないかなと勘繰っていたので、
「目標は50個、50個や！」
それでも昨日の目標5個から大きく上方修正したなぁと思いました。
ご挨拶 10時00分
ゲームマーケット2021春で購入した、音速厨房のSAKURA-GO-ROUNDさんが画伯と一緒にいらっしゃるというのを聞いてご挨拶してきました。
私が一方的に知っているだけですので、制作者様としては誰やこいつだとは思うのですが、
コミュ障なりに良いゲームでしたという一言をお伝えしたくてご挨拶してきました。
忙しかったのもありますが、コミュ障なので他のブース様とは全くコミュニケーションを取っていなかったので、最初で最後の挨拶回りでした。
音速厨房はすごろくやさんからパワーアップして新登場ということです！おめでとうございます！
https://twitter.com/Sakuragoround
他のブースの方々も続々ご購入いただく 11時00分
他のブースの出展者様、あるいは出展はしていないが別の業界でのクリエイター、デザイナー様も多くお見えになりました。
私たちの作品threeの大きな強みである、3すくみのカードデザインについて、また3すくみを活かしたゲームシステムについて
たくさんのクリエイターの方から評価のお言葉をいただきました。
何度も繰り返しますが、私たちは基本的に自分に自信がない人間です。
実際に活躍されているクリエイターの方からお墨付きをいただけるのは自信につながり大変嬉しく思います。
デザインが良いという評価をいただきますが、実をいうと、
Hot Dogに本業デザイナーはいません。
デザインを担当してくれたメンバーは、もちろんデザインはできますが、デザインを本業にしていません。
仕事は法務っぽいことをしています。
では雑にデザインしたかと言われればそうではありません。
普段からデザインについて研究し、デザインで情報量を減らす工夫、引き算の考え方、実践と挑戦、そういった積み重ねた努力の上で
threeのあの3すくみのデザインは作り上げられました。
ちなみによく聞かれるのですが、
「突き刺したデザインは誰が考えたんですか？」
ですが、二人の対話の中で生まれたものなので二人としています。特許の出願人も2人です。
最後までやり通す 16時00分
ゲムマ終了1時間前、16時になると人も少なくなっていました。
おかげさまで目標の50個も午後にはクリアしました。2日目も順調な売れ行きで、十分すぎる収穫です。
ですが、最後の最後までやり通す。決しておごってはいけない。
メンバー全会一致で、最後まで声がけを続けました。
実は私たちは、最初から最後まで決して座って対応しないということを決めていました。
過去のゲームマーケットに参加していた時、座っているブースは「休憩中かな？」と近寄りづらくなってしまった経験があるからです。
それに16時からやっと会場に入場されたお客様もいらっしゃるはずです。
これも過去の経験ですが、遅く入場した会場がなんだか寂しくて悲しい思いをしたことがあります。
私たちにチャンスをくれたゲームマーケット2021秋を最後まで盛り上げることにお力添えさせていただきます。
撤収 17時00分
2日目（2年目分）の在庫もほとんどなくなり、キャリーケースに収まる程度でした。
ゲームマーケット終了のアナウンスとともに、拍手が喝采。
アニメ「げんしけん」の気持ちになれました。
打ち上げ 19:30
叙々苑のホルモンは美味しいのですが、縁のホルモンは安くて叙々苑なみに美味しいのでおすすめです！
ゲームマーケット翌日
手配しておいたイエローサブマリン様、ボドゲーマ様がいっせいにthreeの販売を開始してくれました。
こんな弱小サークルの委託を快く受け入れてくれたイエローサブマリン様、ボドゲーマ様には感謝です。
SNSフォロワー数も5人になったので、販売できるようお力添えさせていただきます！
イエローサブマリン様
ボドゲーマ様
これからのHot Dog
ゲームマーケット2021秋は大成功に終わりました。
しばらくは、threeのビジネス展開、パブリッシャー様との提携を目指して疾走する感じかと思います。
まずは目先の、
イエローサブマリン様、ボドゲーマ様の在庫を、そして自宅の在庫を空にするのが目標です。
嬉しいことに尋ねられるのが次回のゲームマーケットも出るのか？ということです。
ですが、やはり思うわけです。
今回の成功は偶然たまたまである、と。
次回のゲームマーケットに参加したら残念な結果になるんじゃないかなと思ったりもしています。
次の作品も考えてはいますが、妥協したものを作ってまでゲームマーケットに出たいとも思いません。
いまのところ、サイコロを使ったシンプルなゲームを考えています。今のところですが。
ゲームシステムは考えてあるのですが、デザインが困難なのです。
ですが、threeの3すくみデザインも困難の中でもがいて完成したデザインでもあります。
諦めなければいつか道が開ける。
そんなことを教えてくれたのもゲームマーケットでした。
諦めなければ、必ずまた皆様にゲームマーケットでお会いできると思います。
